ダイエットをがんばっているのに、なかなか下半身が痩せない……。そんな方は多いと思います。そうなると、つい考えてしまいがちなのは、「足やせ」という憧れの言葉。でも、その前に、ちょっと気をつけるだけで気になる部分のケアができます。
足やせの前に、まず、気にして欲しいのは「むくみ」
軽いときは、夕方ちょっと足がだるいな~というぐらい。でも、ひどいときには、夕方になると、見た目から朝とは全然違う太さになっていてびっくりすることがあります。
しかも、パンパンに膨れているように感じられ、靴がきついどころか痛みを感じることもあります。「足首のくびれがなくなった?」なんて感じる人もいるかもしれませんね。
このむくみ、入浴や軽いマッサージで、またはぐっすり眠って翌朝起きたらすっきりしているケースが多く「寝ればすっきりするから」とばかりに放置している人はいませんか?
実は、このむくみが太い足をつくる原因の一つなのです。
むくみってどういうこと?
簡単に「むくみ」といっていますが、むくみとは、大雑把に言ってしまえば、血管の外に必要以上に多く溜まってしまった水分です。本来であれば、この水分は、からだの組織に栄養を送り届けたあと、リンパ管や静脈に戻っていきます。逆にいえば、リンパ管や静脈のはたらきが活発であれば、余計な水分は役目を終えたらしっかりと血管に戻っていき、溜まることもない=むくみは軽くなるということです。
また、むくみにも色々な種類があります。じっと長時間立っていると、むくんでくる「起立性浮腫」。起立性浮腫が精神的な影響をうけてひどくなると「突発性浮腫」となり、これは繊細な方に多いようです。ストレスでむくむなんて怖いですね。
また心臓のポンプの力が弱くなると「心臓性浮腫」に。
肥満で体が大きくなってしまっても、心臓の大きさは変わりませんから、肥満のせいで体が大きいと心臓の負担が増え「肥満性浮腫」になるケースも。さらには「炎症やアレルギーによるもの」「飲酒後のむくみ」「抗がん剤の副作用」「膠質浸透圧」「その他疾患によるもの」が原因別の種類わけになります。
単なる「むくみ」だと思っていたら、実は体に異常が起こっていたということも考えられますので、そういう意味でもむくみでお悩みの方は、放置せずに一度、医師の診断を受けてみてはいかがでしょうか。
自分でできるむくみケア
さて、ここでは簡単にできるむくみケアについてご紹介しましょう。
先に、「むくみは、血管の外に必要以上に水分がたまっている状態」といいました。
もともと、立っているだけで水分は下方へたまってしまいますので、この水分がまた流れに乗って戻っていくようにしてあげればいいのです。
■方法その1
自前の筋肉を使って水分を送り出します。
もっとも簡単で、今すぐできる方法。下に落ちたものを戻せばいいのですから、椅子に座り、膝から下をまっすぐ前に伸ばします。かかとが膝の高さになるくらいまで足を持ち上げます。つま先はまっすぐ上を向けたまま。
この状態でつま先を自分のほうにぐぐっと向けます。脛のあたりがグッと伸びたら、今度はつま先を反対側へピンと伸ばします。
脛の筋肉を動かし、足を上げることでたまった水分が動きます。オフィスでも机の下でこっそりできますよ。
■方法その2 外側から抑える。
弾性ストッキングなどで圧をかけ、外から水分がこれ以上落ちて溜まらないように圧をかけます。医療関係者の団体である日本リンパ浮腫学会のサイトに掲載された情報では、あくまでも圧をかけることが大事だといわれています。
弾性ストッキングの他には、弾性のある包帯のようなバンテージと呼ばれる幅広のもので足を巻き上げるの有効のようです。
■方法その3 マッサージ。
お風呂上りにマッサージ用のオイルやジェルなどをつかって、足の裏から足首、膝、太ももまで、軽くマッサージ。手のひらで包み込むようにして軽く行うのがポイントです。力いっぱいやっても効果に変わりはないようです。足にたまっていた水分が上に戻るように優しくマッサージしましょう。最近、SNSでめん棒を使ったマッサージが話題になりましたが、あれもこちらと同じ理屈です。
ここまでが自分でできる簡単なむくみケアとなりますが、より専門的なものにリンパドレナージュというものがあります。こちらはリンパの流れに沿ったマッサージを行うことで、より効果的に溜まった水分の流れをよくする手技療法となります。全身をマッサージしてくれるところもありますので、気になる方は、是非お気に入りを探してみてください。
いかがでしょうか? まずは、自分でできることからしっかりケアが基本。でも少しでも異常を感じたら医師に相談。そして、時にはプロの手を借りつつしっかりメンテナンスをしてパンパンになった下半身と、さよならしましょう!
引用および参考文献:
日本リンパ浮腫学会医学情報