年齢を重ねると、だんだん歩くのが億劫になってきて、短い距離でも車を使ったり、気がつけば「今日はまったく外に出なかった」なんてこともありますね。
「運動しなきゃ…」「歩いたほうが痩せるよね」と、漠然と歩くのは体にいいと思っていたり、体重を落とすためにもウオーキングしようかなと考えている人は多くいると思います。
ウォーキングで得られる健康効果
- 脳の記憶力の向上
- 血液の循環が良くなり、冷え性など体質改善につながる
- 体脂肪・内臓脂肪の減少
- コレステロール値を下げる
- リラックス効果
- 認知症予防になる
散歩で認知症防止にも!
有酸素運動は、脂肪を燃焼させ体重を落とすには効果的といわれていますが、実は「歩く」ことに関していえば、ダイエットだけではなく認知症との関連についての研究があります。
2017年に東北大学医学系研究科から発表された研究「歩行時間変化と認知症発生リスクとの関連」によりますと、「中年期以降の歩行時間が継続して多い者で認知症発生リスクが低い」というデータが出ています。
年齢を重ねると、定年退職などのライフスタイルの変化で、1日の歩行時間に違いが出てきます。この研究のデータでは1994年から2006年にわたり歩行時間の変化を調査したところ、中年期以降の歩行時間が継続して多い人のみ認知症発生リスクが低くなっているとの結果が出ています。
もちろん、実際の歩行を含む「運動」と認知症との確かな関連性はさらなる研究が待たれますが、今の健康を維持するだけではなく将来のリスクを減らすためにも適度な運動は毎日の生活に取り入れたいものですね。特別な運動ではなくても、「いつもより少し遠回り」で歩く時間を多くしていくところから始めてみてはいかがでしょうか。
運動のし過ぎは逆効果
では、実際にどのくらい毎日歩けばいいのでしょうか。基本的な健康維持としては一日8,000歩/20分が一番適した活動量だと言われています。認知症予防などでしたら、5,000歩ほどで十分です。
歩き方や姿勢が悪いまま歩き過ぎると、膝を痛めてしまったりするので注意してください。
引用および参考文献:
東北大学医学系研究科「歩行時間変化と認知症発生リスクとの関連」大崎コホート2006研究