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柔道整復術の歴史

2017年4月28日
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柔道整復術の歴史の歴史についてご案内します。その歴史は人類が外傷を手当てしたとき始まりますが、記録に残る史実としては、大宝元(701)年には律令において、骨折・関節の損傷を扱う専門職が登場しており、ここに伝統医療(民族医学)としての発祥を知ることができます。その後、武士が勢力を強めてくる戦国時代になると、柔整師のルーツがはっきり見ることができます。

有史以前から存在した骨折・関節の損傷を扱う専門家

 

その歴史は人類が外傷を手当てしたとき始まりますが、記録に残る史実としては、大宝元(701)年には律令において、骨折・関節の損傷を扱う専門職が登場しており、ここに伝統医療(民族医学)としての発祥を知ることができます。

 

その後、武士が勢力を強めてくる戦国時代になると、柔整師のルーツがはっきり見ることができます。戦国武士は、戦場で馬上から槍や弓を使い、馬から下り、太刀をまじえ戦います。最後は相手を投げ倒し押さえ込みます。この押さえ込む格闘術が柔(やわら)、柔術です。

歴史ー馬-min

 

 

 

諸賞流、竹内流、柳生心眼流、楊心流、武備心流、天神真楊流等の、柔術の各流派には、相手を倒す法である殺法と蘇生法である活法を伝えていました。
伝えるといっても、当時の武術は一子相伝といって、最も優れた弟子を継承者として一人選び、奥義を伝えました前出の、天神真揚流伝書人之巻には、顎関節脱臼をはじめ骨折、脱臼の整復法が伝承されています。

また続出する負傷者のために「金創医」と呼ばれる現在の外科医が骨折・脱臼等の治療を行った記録もあります。

れきし-min

 

その接骨の歴史を遡ると、武道の柔術へとたどり着く。中世末期の戦乱時代の武道には表裏一体の殺法と活法があり、その両道を極めたものが名人・達人と言われる人であった。活法とは、仮死者に施す救急法や、骨折・脱臼などの手当や治療などが含まれている。

 

殺法は、武術の殺戮手段等に用いられていたが、時代の変遷とともにその一部は保健と精神修養の手段として、スポーツの中に組み入れられながら行われている。

 

 

一方、活法医療の一部柔道整復術として現在の発展に至っている。古くは養老律令【718年】に骨や関節の損傷に関する記載があり平安時代の古典に接骨、整骨という名称が記載されて、江戸時代に発達した伝統的医療技術が醸成され、現代において、法的整備がなされ、柔道整復術となったのです。

 

 

柔術から発した武道医学

 

柔道整復術としての独自の源流は、17世紀はじめに中国からの亡命者により伝えられた拳法と正骨術が、「殺法・活法表裏一体(武医同源)の術」として、日本柔術の一源流となり日本中に広まっていったことに始まります。

 

 

柔道整復術において伝承流派が数多く存在する理由もここにあります。 1746年には日本最古の整骨書といわれる「骨継療治重宝記(高志鳳翼)」が表され、また「正骨要訣(吉原元棟)」では柔術の救急法として外傷性脱臼の整復法が表されています。

 

さらに1807年に「正骨範(二宮彦可)」が表され、正骨(整復術)が医術として認知されるようになりました。多くの日本文化が育まれた江戸時代には、蘭学が盛んになり、各学問分野で翻訳により西洋科学が紹介され、柔道整復術においてもこの時期に科学としての医学知識が取り入れられ、西洋医学との調和が図られました。

 

柔道整復術の社会的認知

 

明治維新後、柔術の殺法の部分は嘉納治五郎先生によって日本伝講道館柔道として生まれ変わり、現在オリンピックの正式種目となって世界のスポーツとして普及しています。 一方、柔術の活法は、柔道整復術として柔道整復師に伝えられました。1874(明治7)年の「医制」発布以降、柔道整復師にとり、その存続を問われる程厳しい時代を迎えました。
明治に入り、時の政府は西洋文化を積極的に取り入れる施策を打ち出し、医学においてもそれまで主流だった東洋医学・伝統医学を否定する方向へ歩み出しました。この時、整骨の名称も抹殺された訳です。しかし、今までの膨大な経験と実績を持つ整骨(接骨)術を埋没させておくのは大変不幸なことであり、関係各位のご努力によって大正に入り「柔道整復師」と名称を変更して復活された経緯があります。

 

1919(大正9)年「柔道接骨師公認請願運動」により公的規則の改正が実現、1920(大正9)年には、資格制度としての第1回資格試験が実施されるに至りました。
明治以降、この技術に東洋や西洋の医学技術を織り成して発展向上を遂げ、現在は骨・関節・筋・腱・靭帯など運動器に加わる急性、亜急性の原因によって発生する骨折・脱臼・捻挫・挫傷・打撲などの損傷に対し、手術などをしない「非観血的療法」という独特の手技によって患部の整復・固定・後療等を行い、自然治癒能力を最大限に発揮させる為の治療術が柔道整復術です。

 

そして、ほねつぎ・接骨院・整骨院として広く一般にも知られ、厚生労働大臣免許の下で打撲、捻挫、挫傷(筋、腱など軟部組織の損傷)、骨折、脱臼などの施術をする職業の正式名称が「柔道整復師」です。

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